交通事故の後遺障害として最も多く認定されているのがむち打ちですが、むち打ちのほかにも様々な障害が後遺障害として認定されています。

当サイトでは全5回にわたり後遺障害の種類について紹介しており、第1回目は低髄液圧症候群（脳脊髄液減少症）の症状や治療法、後遺障害等級について解説していますので是非最後までご覧ください。

低髄液圧症候群は、脳脊髄液の漏出によって頭痛やめまい、全身倦怠感などの症状が発生する疾患です。

 

多くの場合、交通事故などの追突事故によって軽微な外傷後に生じるとされており、交通事故のむち打ち症とも深く関係しているとも言われているのですが、原因がはっきりしないことも珍しくなく、疾患に対する認知度も低いことから低髄液圧症候群であるにもかかわらず、適切な診断をされなかったという症例も決して少なくないと言われています。

 

発症までに時間がかかることも多く、複数の医療機関を受診しても特に異常がないという診断を受けたり、心療内科への受診をすすめられるなどで何重もの苦しみを負わされることもあります。

早期であれば水分を十分にとり安静にすることで治癒する症例もありますが、MRI検査などで髄液の漏出が確認できた場合は、硬膜外自家血注入療法（ブラッドパッチ）という、髄液の漏出を止める治療法を行う必要があります。

 

ブラッドパッチは患者さん自身から静脈血を採取し、その血液を硬膜の外側に注入することで注入された血液がノリの役割を果たし、漏出部分を塞ぐことで漏れを止めることができます。

 

低髄液圧症候群は一度発症してしまうと数年単位あるいは10年、20年と苦しみが続いてしまうこともあります。

 

低髄液圧症候群にはブラッドパッチ療法が有効とされており、事故後頭痛やめまいが一向に収まらないといった場合には、一度しっかりとMRI検査などを受けてみることをおすすめします。

 

ブラッドパッチ療法は1～3回程度で完治する方も多く、治療予後良好で完治率も高いとされる疾患です。

 

体調に異変を感じている方は早めに受診してください。

交通事故が原因で低髄液圧症候群だと診断されれば、後遺障害等級14級が認定されることがあります。

 

しかし一方で、低髄液圧症候群は交通事故などの追突事故によって軽微な外傷後に生じるということは分かっていても医学的根拠が曖昧であることから、多くの裁判例では低髄液圧症候群の発症自体を否定する傾向が続いていました。

 

平成22年4月に厚生労働省が低髄液圧症候群に関する各種検査が保険適用になる見解を示したことで、平成23年から低髄液圧症候群の症例を認める判決も増えてきましたが、現段階においては保険会社との交渉レベルでは交通事故と低髄液圧症候群の因果関係が認められるには非常に困難とされているため、低髄液圧症候群の後遺症認定を受けるためには弁護士に依頼し裁判をするしかないというのが現状です。

 

過去の判例において低髄液圧症候群による後遺障害が認められるには、起立性頭痛（立ったり座ったりすると5分以内に頭痛が出現し横になると30分以内に改善・消失する頭痛）を伴うこと、ブラッドパッチ治療によって症状が改善していること、髄液の減少を示すMRI画像があることなどが重要視されていると考えられています。

交通事故に遭い体に異常を感じているのにもかかわらず明確な病名が分からず病院をたらいまわしにされご不安に感じている方はいませんか？

 

後遺症が残ってしまったとしても、後遺障害等級の認定を受けて後遺障害と認められなければ、損害賠償を受けることはできません。

 

適切な慰謝料を受け取るためには、適正な認定を受ける必要があるのです。

 

低髄液圧症候群の治療費に関してですが、低髄液圧症候群と診断されれば保険診療が可能となるのですが、基準に合致しなかった場合自費診療となってしまい、検査費や入院費込みで30万円程度かかるところもあります。

 

後遺障害等級は1等級変わるだけで受け取れる慰謝料の額が大幅に変わります。

 

低髄液圧症候群の立証ができれば、神経系統の障害として9級や12級に認定される可能性もありますので、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。

 

事故なびでは交通事故を専門として数多くの交通事故被害者の方を救済してきた、交通事故プロの弁護士の先生を無料にてご紹介させて頂いております。

 

脳脊髄液減少症は立証が難しい疾患だからこそ、交通事故案件の経験が多く、専門的な知識を有する弁護士に依頼するのが確実です。