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交通事故コラムマメ知識外見に残る後遺症の男女差について

外見に残る後遺症の男女差について

新年あけましておめでとうございます。ようやくコロナウイルスも落ち着いてきたかと思った矢先、新たな変異株が流行の兆しを見せ始めたりと、なかなか先の見えない年始めとなっていますね。
さて、皆様においては、交通事故の後遺症(正確には「後遺障害」)について、どのくらいご存知でしょうか。交通事故の後遺症認定は、自賠責保険で使用されている「後遺障害別等級表」にて1~14等級まで整理されていまして、これに照らして後遺障害の程度が判断されます。障害の程度がランク分けされるのです。






                                              
弁護士法人東京新橋法律事務所
代表弁護士 前田祥夢

後遺障害について①

本日は、そのような後遺障害のうち、顔の傷など、外見(外貌)に残るものについて、どのような取り扱いがなされるのか見ていきたいと思います。実は、昔は男女で差が設けられていたのです。等級そのものに男女差が設けられており、男性は低く、女性が高い等級表となっていました。

この点について、大きな影響を及ぼした判例があります。労災事故で大火傷をして顔や頸、腕、胸、腹部などに酷い後遺障害を負った当時21歳の男性に対し、女性の外貌醜状の等級である7級よりも大幅に低い11級と認定した労働基準監督署の処分を取り消した、京都地方裁判所平22年5月27日判決です。実は、本判例が出る少し前に、外見の怪我(「著しい外貌醜状」)について、男女で5等級分の差を設ける別の法律(労働者災害補償保険法)が憲法に反するとの判断が、裁判所によってなされたのです。それが、交通事故における後遺障害認定においても、反映されたのが上記判例です。なお、上記の別の法律において、その後男女に差を設ける記述が無くなりました。平成23年5月2日、国は交通事故における外貌醜状の等級について、男女共通して、著しい醜状が7級、相当程度の醜状が9級、単なる醜状が12級という形に改訂されました。

後遺障害について②

交通事故によって外貌醜状が残ってしまった場合の損害(正確には「逸失利益」といいます。)については、平成23年の等級表改訂以前は、特に女性で女優・ファッション業といった、顔に傷を受けることで収入の減少に大きく直結してしまうと想定される業種の方については後遺障害の影響が大きいとして、認められやすい傾向にありました。ですが、改定後は、後遺障害別等級と同様に男女の区別が解消される傾向にあり、男性についても、外貌醜状の状態とその者の業種に鑑みて、精神的苦痛又は労働能力喪失の程度が大きいと判断されれば、損害が十分に認定されるようになっています。具体的には、現在の等級表において「外貌に醜状を残すもの(12級)」であれば224万円、「外貌に著しい醜状を残すもの(7級)」については1051万が、男女差なく認定され得ます。

最後に

もっとも、外貌醜状による損害は、実務上、なかなか思うように金額を認めてもらえない傾向にあります。これは、それ自体が直接身体機能の低下を招くものではないという考えがあることが原因であると考えられます。なので、顔のやけどや傷などを、後遺障害として主張する場合は、それらの傷による仕事への直接的影響や精神的苦痛が大きいことをしっかり主張立証していくことが大切です。

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2022.03.29

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