「交通事故の示談交渉②示談交渉の流れ」
今回は、交通事故における示談交渉の流れをご紹介するとともに、示談交渉をする前に知っておきたいことも併せて解説していきます。
交通事故の示談交渉をする前に
交通事故に関する協議は、調停や裁判に持ち込まれることは少なく、そのほとんどが当事者同士の示談交渉によって決められています。示談交渉では第三者が介入しないため、加害者側の保険会社は支払う損害賠償金を減らすべく、損害の項目や過失割合を少なく見積もって提示する可能性があります。そのため、被害者が相手に遠慮し言いくるめられてしまっては、適正な損害賠償を受け取ることはできません。
示談交渉は当事者が参加することもできますが、加害者側は代理人として保険会社を立ててくるのが一般的です。一方、被害者側は自分にも過失があれば保険会社を代理人にすることができますが、被害者に過失がまったくない「もらい事故」の場合、保険会社は示談交渉に参加することはできません。被害者に過失がないということは、被害者側の保険会社は損害賠償を支払う必要がないため、示談交渉に関わることはできないのです。
しかし、弁護士は被害者に過失がなくても代理人として示談交渉に参加できます。示談交渉に慣れている加害者側の保険会社との協議になるため、被害者個人が対応するよりも、法律のプロである弁護士に依頼することをおすすめします。
交通事故発生から示談成立までの流れ
交通事故発生から示談交渉が成立するまでの流れを時系列に沿ってご紹介します。
1. 交通事故発生
交通事故現場では、現場状況を携帯電話やスマートフォンのカメラで撮影し、保存しておきましょう。また、加害者の氏名や連絡先、住所、自賠責保険、任意保険などを確認し、記録しておきます。
当事者同士だけでその場での示談交渉は絶対にせず、損害賠償に関する話し合いは避けましょう。
2. ケガの治療
交通事故でケガを負った場合、ケガが完治するか症状固定の判断がされるまでは継続的に通院し、治療に専念しましょう。
また、交通事故後は目立った外傷がなくても病院に行き、必要な検査や医師の診察を受けておきましょう。
3. 症状固定
症状固定とは、これ以上治療を継続しても治療効果が見込めない状態をいいます。
注意点として、症状固定を判断するのは病院の医師であり、保険会社ではありません。また、症状固定が確定するとその後の治療費を加害者側に請求できなくなるため、症状固定の時期は医師としっかり相談する必要があります。
4. 後遺障害等級申請
医師から症状固定が判断されたら、後遺障害等級の申請手続きを検討することになります。後遺障害等級が認定されると、交通事故の加害者に対して後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できます。
5. 示談交渉
示談交渉を開始するタイミングは、ケガの治療が終わって完治してから、もしくは後遺障害等級が認定されてからになります。加害者側の保険会社から過失割合や損害項目、示談金の内訳が提示されるため、被害者側も納得すれば示談成立、納得できなければ第三者を介して解決を図っていきます。
示談は原則やり直しや撤回ができないため、提示された内容をしっかりと精査する必要があります。交通事故に詳しい弁護士に依頼し、チェックしてもらいましょう。
6. 示談成立or調停・ADR・訴訟へ
示談交渉をしても、被害者側の同意がなければ示談成立とはなりません。示談交渉はあくまで当事者同士の話し合いであるため、双方の同意がなければ第三者を交えて協議していく必要があります。
第三者を介して交通事故問題を解決していく方法としては、民事調停やADR(裁判外紛争解決手続)、民事訴訟があります。民事調停は第三者の調停委員、ADRは各センターの担当弁護士や審査員、民事訴訟は裁判官が当事者の間に入り、交通事故問題を解決に導きます。
まとめ
交通事故の発生から示談成立までの流れは以下のとおりです。
1. 交通事故発生
2. ケガの治療
3. 症状固定
4. 後遺障害等級申請
5. 示談交渉
6. 示談成立or調停・ADR・訴訟へ
交通事故の被害者に過失がない場合、保険会社は代理人として示談交渉に参加することはできません。示談交渉に慣れていない被害者が加害者側の保険会社と協議していくのは負担が大きいため、弁護士に依頼し代行してもらうことをおすすめします。
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2020.10.08
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