夏に増加する高齢者の交通事故の原因とは!?【予防と対策】
第5回目は夏に増加する高齢者の交通事故について解説していきます。
夏は早朝に散歩している高齢者の交通事故が増えるって本当?
FM三重が行った三重県庁交通安全課のインタビューにおいて、2020年の7月までの交通事故件数が42件だったのに対し、そのうち65歳以上の高齢者の方が半数を占める25名にものぼっていたことが明らかとなりました。
このインタビューで最も注目したいのが、早朝または夜間に道路を歩いていたことによって、事故に遭ってしまったという事故形態が最も多かったということです。
早朝や夜間は何故事故が増加するのでしょうか?
FM三重が行った三重県庁交通安全課のインタビューにおいて、2020年の7月までの交通事故件数が42件だったのに対し、そのうち65歳以上の高齢者の方が半数を占める25名にものぼっていたことが明らかとなりました。
このインタビューで最も注目したいのが、早朝または夜間に道路を歩いていたことによって、事故に遭ってしまったという事故形態が最も多かったということです。
早朝や夜間は何故事故が増加するのでしょうか?
※早朝の散歩時に気を付けること
真夏の日中は散歩をするのは熱中症の危険もありますので、比較的涼しい夜間や早朝に散歩をされる方も多いかと思いますが、夜間や早朝は闇に人が溶け込んでしまい、かなり距離を近づかないと人や障害物を発見できないということも珍しくありません。
夜間や早朝時に散歩をする際は白色などの明るい衣服を身に着け、ヘッドライトの光で反射する反射材やLEDライトなどを身に着けることが大切です。
また、散歩をされる際はできるだけ車が通らない歩道や公園などを選ぶようにし、あらかじめリスクを回避しておくことも重要です。
※ドライバーが気を付けること
夜間や早朝というのは人も交通量も少なくスピードを出しがちな上、疲れや眠気で漫然運転になりやすい状態です。
2015年8月、熊本で発生した高齢者の交通死亡事故は早朝5時頃に起こりました。
高齢者の方が横断歩道を渡っている時に発生した事故で、事故を起こしてしまったドライバーは、周囲が薄暗くまさかこんな時間に歩行者はいないだろうという意識から確認が甘くなり、ブレーキを踏んだが間に合わなかったと語っています。
夏場は夜間や早朝に高齢者が散歩をしているかもしれない、横道からすっといきなり高齢者が出てくるかもしれないということを意識し、疲れが溜まっているなと感じた場合は車を停車させ体を休めましょう。
朝の4時~5時頃になると空が明るくなってきますが、この時間帯は高齢者が活動し始める時間とも言えますので、しばらくはライトを点けたままにし高齢者に車が近づいていることを知らせるとともに、早めに発見することを心がけましょう。
また、夏になると飲み会が増えるという方もいるかと思いますが、飲酒運転は絶対にしてはいけません。
「よく知っている道だから問題ない」
「これまで捕まったことや事故を起こしたことはないから大丈夫」
飲酒運転事故で命を奪われた遺族の方の前でも同じことが言えますか?
失われた命はもう二度と戻ってきません。
軽い気持ちでやってしまったことが、人生を棒に振るような取り返しのつかない事態を引き起こしてしまうのです。
「飲酒運転は絶対にしない、させない、許さない」ということを決して忘れてはいけません。
高齢者は要注意!夏は熱中症による交通事故も増加します!
熱中症というと、屋外で起こるものというイメージが強い方もいるかもしれませんが、近年では室内でも熱中症の発生が増加しています。
それは車内も例外ではありません。
総務省消防庁の発表によると、2020年8月10~16日までの一週間に熱中症で緊急搬送された人の数は全国で1万2,804人にのぼったことが発表されています。
熱中症による死亡者数は10年前と比較すると約10倍に増加しており、熱帯夜や猛暑日の増加のほかに高齢化も原因の一つだと言われています。
高齢者は熱さを感じにくくなることからエアコンを使わなかったり、トイレが近くなることを嫌がり水分をあまり取らないようにするなどといったことが、熱中症になってしまう要因とされています。
鳥取県警察が行った「夏季の交通死亡事故の傾向」の調査から、2008~2017年の10年間で発生した交通死亡事故のうち、車両単独による事故が7月に多発していることが明らかとなり、その原因が暑さからくる疲労や熱中症によるものだと判明しました。
夏期に車を運転される際はエアコンを使い車内温度に気を付けるとともに、日中はこまめに水分を補給することを心がけましょう。
まとめ
2020年8月、福岡県で高齢者が運転する車が畑へ突っ込むという事故が発生したのですが、後に運転していた女性は熱中症の疑いがあると診断されています。
熱中症は高齢者に限った症例ではありませんが、高齢者は若年層と比較して体内の水分量が少なくなっていることから熱中症が発症しやすく、水分摂取を意図的に控えてしまう人が多いことから重症化しやすいというのは否めません。
深夜早朝の散歩についても、運転中の熱中症についても、事前に対策をしておくことでリスクを軽減させることが可能です。
事故の被害者、加害者にならないためには、一人ひとりの意識をしっかり高めていくことが大切です。
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2021.07.28
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