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高齢者による交通事故が後を絶たない理由は身体機能の衰えにあった!?

高齢者が関与する交通事故を少しでも減らすことができるよう、啓蒙と交通事故防止アドバイスを全5回にわたって解説していきます。

第1回目は高齢者をとりまく交通事故の現状について解説していきます。

高齢者を取り巻く交通事故の現状

ニュースをつければ毎日のように高齢者による交通事故が報道されています。

 

また、高齢者が被害者となる交通事故も決して少なくありません。

 

自身が被害者・加害者とならないよう、どのような点に気をつけなければいけないのか、今一度しっかりと再認識しておくことが大切です。

 

①高齢化社会

 

日本ではよく少子高齢化社会と言われていますが、総務省から発表された「2020年における高齢化の状況」で、65歳以上の高齢者の人口は3600万人を超え、総人口に占める割合は28.7%にのぼり、高齢者人口・高齢化率ともに過去最高を更新したことが明らかとなっています。

 

そして、この「2020年における高齢化の状況」では、2040年には65歳以上の高齢者人口は4000万人近くに達すると見込まれています。

 

さらに注目したいのが、高齢者の運転免許保有者の増加が年々増加しているという点です。

 

最近は若者の車離れが進んでいると言われていますが、これから高齢化といわれる世代に突入する人たちは、車がステータスと言われていた時代の世代です。

 

これから十数年は運転免許を保有した高齢者の増加は続くでしょう。

 

②加齢に伴う身体機能の衰え

 

加齢と共に身体機能が衰え、動体視力が低下したり、判断能力が鈍くなっていきます。

 

その結果、ハンドルやブレーキ操作に遅れが生じ事故を誘発してしまう恐れがあります。

 

これまで何十年も問題なく運転できていたのだからミスするはずがない、といった先入観を捨て、歳を取り判断が鈍るようになったということをしっかりと自覚することが大切です。

 

また、加齢に伴う認知機能の低下についても同様です。

 

平成28年に運転免許証の更新の際に認知機能検査を受けた75歳以上の高齢者約166万人のうち約5万人は認知症の恐れがあると判定されています。

 

認知機能検査と高齢者講習が導入されたことで、認知症が疑われる高齢者の運転が少なくなるはずなのですが、アクセルとブレーキを間違えてコンビニに突っ込んでしまったり、高速道路で逆走する高齢者などのニュースが後を絶たないというのは、認知機能検査が不十分であることの証明にもなるのではないでしょうか。

 

しかし、認知症の症状というのは人それぞれで、認知機能検査をしている時はハキハキしている、饒舌になるという人も少なくなく、一見認知症とは思えない方もたくさんいます。

 

認知症は誰でも発症する可能性があるということを理解し、運転が以前よりも下手になったという場合には、身体機能の衰えや認知症を疑い、免許を返納することも検討しましょう。

歩行中の高齢者による交通事故の特徴

歩行中の高齢者による交通事故はそのほとんどが道路の横断中に発生しています。

 

主な事故原因は、歩行者(高齢者)の信号無視や横断歩道ではないところでの横断、横断禁止場所での横断が多いのが特徴的です。

 

車も来ていないしこの距離なら渡れるだろうと交通量の多い道路を横断するのは非常に危険です。

 

歩行速度が自分が思っている以上に遅い場合があるほか、焦って転んでしまったりすることもあるからです。

 

歩行用の信号機がすでに点滅しているのに渡ろうとするのも非常に危険です。

 

間もなく点滅するであろう、あるいはすでに点滅している場合は、次に信号が青になるまで待つようにしましょう。

 

また、道端で道路を渡りたがっている高齢者がいた場合、高齢者は車のことが視認できていないもしくは、止まってくれるものだと思い込んでいる場合がありますので、急にふっと道路上に飛び出してくることがあります。

 

ドライバーとしては、まさかこのタイミングで出てこないだろうと思っていても、そのまさかが起こり得るのが高齢者です。

 

これは歩行者に限らず、合流したがっている高齢者ドライバーでも起こり得ます。

 

目の前に高齢者がいた場合は、まさかが起こるかもしれないということを考え、いつも以上に緊張感をもって運転をすることが大切です。

自動車運転中の高齢者による交通事故の特徴

高齢者ドライバーは視野が狭まったり、視力などが弱まることで周囲の判断状況ができにくくなり、状況判断の適切さを欠くようになってしまいます。

 

また、反射神経が衰えることでとっさの対応が遅れてしまったり、パニックになってブレーキを踏まなければいけない場面で、何度もアクセルを踏んでしまうといったことを起こしがちです。

 

警視庁が公表したデータで、75歳以上の運転者はハンドル等の操作不適による事故が最も多く、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故が75歳未満では0.7%なのに対し、75歳以上では5.9%と跳ね上がっていることも明らかになっています。

まとめ

75歳以上及び80歳以上の高齢運転者による死亡事故件数はこの10年で減少傾向にあると言われていますが、身体機能の低下や認知機能の低下を自覚し早めに免許を返納していれば防げた事故というのは数多あるのは紛れもない事実です。

 

事故なびは「安心して運転できる世の中へ」をテーマに掲げ、交通事故により被害者となってしまった方に様々なアドバイスやご案内をさせて頂いております。

 

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2021.09.03

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