【相手が、センターラインオーバーをしてきた交通事故でも、過失を求められる事があるのでしょうか?】
それはどのような場合なのでしょうか?
【センターラインオーバーによる交通事故の事例紹介】
★原則被害者に過失はないケース
相手がセンターラインオーバーしたことによって正面衝突してしまった自動車事故の場合には、過失割合は原則として、加害者100:被害者0になります。
なぜなら、自動車は、道路交通法第17条4項によって、道路の左側部分を通行しなければいけないことになっていますし、さらに同法第18条1項によって、道路の左側に寄って通行しなければならないことになっているからです。
例)岡山地方裁判所平成23年9月12日判決は、センターラインオーバーした自動車が、対向車線上のA自動車、B自動車に順次衝突したという事案において、B自動車の運転者がセンターラインオーバーした自動車の運転手の相続人に損害賠償請求したというケースです。
★被害者に過失が認められたケース
例)被害者(普通乗用自動車)が、夜間に見通しのよい交差点に進行したところ、加害者(バイク)が、何らかの事情によって、センターラインを超えて進行してきたために、衝突した交通事故です。
この交通事故では、被害者は、見通しがよい道路を走行していたのに、加害者のバイクとの衝突直前まで、加害者のバイクの存在に気付かなかったのは、前方不注視の過失があったからであると認定されました。
そのため、被害者が、もっと早くに加害者のバイクに気付くことが可能であり、加害者のバイクに早めに気付いていれば、衝突を避けることができたと認定され、加害者85:被害者15の過失割合と認定されました。
【被害者にも過失が認められる理由とは?】
★被害者の義務違反
上記の判例から明らかなように、通常は、対向車線を走行してくる車両が、センターラインオーバーをするかもしれないと予期し、これに備えなければいけないというような義務はありません。
加害者がセンターラインオーバーをしたために起こった交通事故で、被害者にも過失が認められるのは、被害者自身にもなんらかの義務違反がある場合です。
被害者が仮にその義務をきちんと守っていたならば、衝突を回避することが可能だったと認定されれば、被害者にも過失が認められます。
被害者の義務違反として多いのは、被害者の車が左寄り通行義務を果たしていなかった場合や、被害者の車にスピード違反があった場合などです。
また、被害者が、衝突直前まで加害者に気付かなかった場合は、前方不注視の過失があったと判断される可能性があります。
【もし被害者になってしまったら?】
センターラインオーバーによる交通事故の被害者になってしまった場合、自分は一方的な被害者だと思っていても、相手から過失相殺を主張されることもあります。
また、損害賠償(慰謝料)額について争いになる場合もあります。
相手の保険会社から提示された過失割合や損害賠償金額に納得いかない場合は、自己判断せずに、弁護士に相談した方がよいでしょう。
原則として100:0とはいえ、事故の態様によって過失割合は変わりますから、正当な賠償金額を受け取れるように弁護士に事案に応じた主張で、保険会社と交渉してもらうべきです。
反対車線からの違反運転によりケガをしてしまった際は、
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2018.12.13
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