年末年始は交通事故に要注意④路面の凍結によって起こる事故
今回は、凍結路で交通事故が起こる理由をご紹介するとともに、凍結が起こりやすい場所、乾燥路と比較した場合の滑りやすさについて解説していきます。
凍結路で交通事故が起こる理由
凍結した路面は「アイスバーン」と呼ばれ、積雪の翌日に気温が上昇して雪溶けが進み、夜になって急激に冷え込むことで発生します。道路に残った雪解け水が凍ってしまい、非常に滑りやすい状態になってしまうのです。
なぜ凍結した路面で交通事故が起きるかというと、タイヤが道路を滑ってスリップしたり、ブレーキを踏んでもすぐに効かず止まるまでに時間がかかったりするからです。乾燥した道路では起きにくい現象が凍結路では発生してしまうため、乾燥路と同じような感覚で凍結路を運転すると交通事故を引き起こす恐れがあります。スリップの危険性を考えて前の車両とは車間距離をとり、落ち着いてゆっくりと走行しましょう。
また、アイスバーンには以下のような種類があります。
●圧雪アイスバーン
圧雪アイスバーンとは、雪が降ったあとの道路を自動車が走行し、道路上の雪が踏み固められた状態をいいます。昼間の気温上昇で雪溶けし夜の冷え込みで凍結すると、完全にアイスバーン(氷)の状態になります。
●ミラーバーン
ミラーバーンとは、スタッドレスタイヤによって雪の路面が磨かれることで、道路が鏡のように反射する状態をいいます。交差点など交通量の多い場所で発生しやすい現象です。
●ブラックアイスバーン
ブラックアイスバーンとは、道路上の水分が凍って薄い膜のような状態になることをいいます。一見するとアスファルトのように黒く、日の当たり方によっては凍結していないように見えるため、より注意が必要です。
路面の凍結が起こりやすい場所
路面の凍結が起こりやすい場所は次のとおりです。
●橋の上
橋の上は風通しが良く気温が低いため、路面が凍結しやすい場所です。橋に入るまでの道路は乾燥していても、橋の上では凍結している恐れがあります。橋に入るときはスピードを落とし、慎重に走行しましょう。
●トンネルの出入り口付近
トンネル内は凍結していなくても、出入り口付近では雪解け水が凍結し、滑りやすくなっていることも考えられます。トンネル内ではついスピードを出してしまいがちですが、そのままのスピードで外に出るとスリップしてしまう恐れがあります。
●市街地
市街地の交差点付近は停止や発進が繰り返し行われるため、道路上の雪が磨かれてツルツルになることがあります。アイスバーンの状態ではブレーキを踏んでもすぐに止まれなくなるため、早めにブレーキをかけること、前の車両に近づかず車間距離を十分にとっておくことが大切です。
また、下り坂やカーブに差しかかったときも注意が必要です。スピードが出やすい下り坂は手前で十分にスピードを落とし、エンジンブレーキを使いながら下っていきます。カーブも手前でしっかり減速し、曲がるときはゆっくりハンドル操作しましょう。
乾燥路に比べ凍結路ははるかに滑りやすい
路面の状態を「乾燥路」「積雪路」「凍結路」に分けると、積雪路は乾燥路に比べ3.2倍、凍結路では5.4倍滑りやすくなっています。また、道路がツルツルに凍っている場合は乾燥路より8.0倍も滑りやすく、乾燥路と同じブレーキ操作では間に合わない可能性が高いでしょう。
雪が踏み固められた積雪路も滑りやすくなっていますが、凍結路ではスリップの危険性がさらに高まります。路面の凍結は雪が降っていなくても起こることがあるため、降雪地域以外を運転する際も注意しなければなりません。
ひと目で凍っているかわかれば対処しやすいですが、凍結しているのか見分けがつきにくいブラックアイスバーンが発生している可能性もあります。降雪の翌日に運転する場合は、道路状況に注意していつも以上に安全運転を心がけましょう。
参考:東京海上日動 『雪道や凍結した道を安全に走行するためには』
まとめ
雪が降った日の翌日は道路が凍結しやすく、スリップによる交通事故が発生しています。橋の上やトンネルの出入り口、交差点付近は特に凍結しやすい場所です。凍結路は乾燥路よりもはるかに滑りやすいことを頭に入れ、凍結の恐れがある日に運転する場合は、気持ちに余裕を持って細心の注意を払いながら走行しましょう。
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2021.01.07
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