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年末年始は交通事故に要注意①冬場の運転は視認性が落ちやすい

冬場は雪の影響で視界が悪く、ドライバーの視認性が落ちやすい時期です。交通事故の年間発生件数や死者数を見ても、秋から冬にかけて増加する傾向があります。年末年始は気持ちが浮かれて注意力が散漫になりやすいため、自動車を運転するときは特に注意しなければなりません。

今回は、視認性が落ちやすい冬場の運転について、視界不良による交通事故の特徴や冬場の安全運転対策をご紹介します。

視認性が落ちる冬場の運転は交通事故が起きやすい

日照時間が短い冬場は暗い中での運転が増えることに加え、雪が降る地域では視界が悪くドライバーの視認性が落ちやすくなります。降雪や吹雪はもちろん、他の自動車が雪を巻き上げることで視界が塞がれることもあります。視界が悪くなると自転車や歩行者、前を走る自動車との感覚がわかりにくいため、冬場の運転では交通事故が起こりやすくなってしまうのです。

 

冬場の視界不良による交通事故は、大半が吹雪によって見通しが悪くなることが原因です。雪で視界が奪われる気象現象は「ホワイトアウト」と呼ばれ、吹雪や大雪の日は一瞬にして前後左右が見えなくなり、上下感覚も奪われてしまうことがあります。

 

 

●ホワイトアウトによる交通事故事例

吹雪による視界不良(ホワイトアウト)の交通事故事例として、平成302月に発生した北海道ニセコ町での死亡事故があります。ホワイトアウト下の運転中に路肩を歩いていた女子大学生をはねて死亡させたとして、運転手は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われました。

 

この事故では、ホワイトアウト時の運転に過失があったかどうかが争点となりました。事故当時はおよそ11メートルまで近づかなければ歩行者を認識できないほどの視界不良だったと認定されましたが、その上で歩行者の存在は想定でき徐行義務があったこと(車は時速3040キロで走行していた)を指摘し、札幌地裁は禁錮1年2月、執行猶予3年の判決を言い渡しました(弁護側は即日控訴)。

 

参考:産経新聞社 『吹雪視界不良事故で有罪 札幌地裁「徐行義務ある」』

視界不良による交通事故の特徴

吹雪などの視界不良による交通事故は、交差点や直線部での追突で発生するケースが多く、そのうちの大半が停止している自動車への追突事故です。交差点の四隅に積み上げられた雪堤は風で舞い上がることでドライバーの視界を奪ってしまい、同様に直線部でも舞い上がった雪で視界が塞がれホワイトアウト状態になることがあります。停止車が雪堤に隠れてしまった場合は、雪堤より高く見通しが効く大型車でも判断が遅れてしまうでしょう。

 

また、視界不良による交通事故は、日中の明るい時間帯に起きやすいという特徴があります。一般的には通勤や通学で交通量の多い朝夕の時間帯に交通事故が起きやすくなりますが、視界不良事故の場合、朝の68時、夕方の1618時の時間帯はむしろ事故の発生が少ないのです。

 

日中に視界不良事故が多くなる理由は、外が明るい時間帯は太陽光と雪からの乱反射で背景が明るくなり、自動車のライトの効果が減少してしまうからです。反対に、外が薄暗くなってくると、ライト自体と雪からの反射が他の自動車や歩行者を見えやすくしてくれます。吹雪による視界不良は、日中の明るい時間帯ほど十分に注意する必要があります。

冬場の安全運転対策

ドライバーの視認性が低下しやすい冬場において、大雪や吹雪が予想される日は極力運転を控えることが大切です。しかし、ホワイトアウトは強い風によって雪が舞い上がることで起きる場合もあり、必ずしも気象条件が悪い日だけに発生するとは限りません。

 

運転中にホワイトアウトが発生した場合は、まずはハザードランプを点灯させて周りに自分の存在を知らせ、少しずつ減速していきます。周囲に危険が及ばないことを確認できたら、安全な場所に移動し停車しましょう。吹雪で視界が遮られる中での運転は非常に危険であり、ホワイトアウトが発生すると一瞬で前後左右が見えなくなります。無理に運転することは絶対に避けましょう。

 

また、ホワイトアウトによって自動車が走行できなくなると立ち往生や通行止めが起こりますが、それが交通事故の原因になるとは限りません。吹雪などによる視界不良事故を防ぐには、ドライバーの運転技術よりも、危険を予測した安全運転が大切になります。

まとめ

雪の影響を受けやすい冬場はドライバーの視認性が落ちやすく、運転時は十分に注意しなければなりません。雪によって視界が塞がれてしまう「ホワイトアウト」は天候が悪い日だけに発生するものではなく、積もった雪が風で舞い上がりドライバーの視界を奪ってしまうこともあります。雪が降っていないからといって安心はできません。

 

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2021.01.04

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