交通事故で肘・手首痛が起こる原因として考えられるのが追突事故です。

例えば自動車を運転中に背後から追突されてしまった場合、後ろからの強い衝撃が肩や肘、手首へと加わります。

その時加えられた衝撃が、各関節の筋肉や靱帯、神経などに伝播していき損傷してしまいます。

これは自動車同士の追突事故に限った話ではありません。

むしろ生身であるバイクや自転車、歩行者のほうが加わる衝撃は大きくなるでしょう。

背後から追突された場合、背後からの衝撃はもちろんのこと、ぶつかった衝撃で転倒し、手を地面に打ち付けてしまうと、手や手首に直接的なダメージを負うだけでなく、そこからの衝撃が各関節の筋肉や靱帯、神経に伝播していくことになりますので、かなり強い痛みを伴う可能性があります。

交通事故に遭い、転倒時に起こり得る怪我として考えられるのが骨折です。

交通事故による主な手の骨折に、上腕骨骨、橈骨骨折、橈骨遠位端骨折（手首骨折）、尺骨骨折などがあります。

骨折の部位・程度などによって、肩関節可動域制限、肘関節可動域制限、手関節可動域制限、疼痛などの後遺障害が残ることがあります。

骨折の他には、手首捻挫、肘部管症候群、肘関節脱臼なども症状として出る可能性があります。

手首捻挫は、手をついたり捻ったりした際に起こり得る怪我で、TFCC（三角繊維軟骨複合体）と呼ばれる靱帯を損傷することで発症します。

肘部管症候群は、肘部管において尺骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりすることで起こる神経障害で小指や薬指に痺れなどの症状がでます。

肘関節脱臼は、肘関節が転倒などによって脱臼してしまう症状のことです。

医師の処置を受けることで1～2週間ほどで回復しますが、治療をせず放置してしまうと手術が必要になるケースもあります。

交通事故に遭った直後は興奮状態にあり、肘の痛みや手首の痛みが出ていないかもしれませんが、事故直後は必ず整形外科などに受診をしてください。

日常生活において、肘や手首を動かさないでいることはほぼ不可能です。

事故直後、適切な治療を受けずそのままの状態で過ごしてしまうと、患部に負荷をかけ続けることになり、悪化する原因となってしまいます。

手を動かすと痛い、荷物を持つと電気が走ったような痛みを感じる、物が上手く持てない、手が痺れているような感じがする、肘がグラグラするといった症状が出ている場合、身体がなんらかの異常サインを示している証拠です。

そのうち治るだろうと過信してはいけません。

痺れを発症してしまうと治るまでに数か月かかることもあるほか、後遺症として残ってしまうこともあります。

また、骨折しているのにもかかわらずそのまま放置してしまうと、骨が変形して癒合してしまい、その結果神経症状が残ってしまうということも起こり得ます。

交通事故による肘・手首の怪我には、骨折、手首捻挫、肘部管症候群、肘関節脱臼など様々な怪我や症状が現れる可能性があるため、事故に遭った際はすぐに病院へ行き、医師の指示に従ってしっかり治療及びリハビリを受けることが最も大切です。

手を骨折し可動域が制限されてしまった場合12級、10級、8級のいずれかが認定される可能性があるほか、手指を骨折してしまった場合、4級から14級の後遺障害が認定される可能性もあります。

後遺障害として神経症状が残ってしまったのにも関わらず、きちんと治療・リハビリをしなかったからであると判断されてしまうと、後遺障害の認定を受けられない可能性もありますので、必ず事故直後すぐに病院へ行き適切な治療とリハビリを受けてください。

交通事故によって起こり得る怪我・後遺症について、原因・症状・治療法について全4回にわたって解説してきましたが、どのような怪我においても、共通していることは一つです。

事故直後は必ず病院へ行き、きちんと検査をしてもらうということです。

医師による診断のもと、整骨院・接骨院での治療が開始となりましたら是非、事故なびをご活用ください。

事故なびではお住まい・症状に合った整骨院をご紹介しているほか、交通事故案件に強い弁護士さんもご紹介させていただいております。

交通事故対応は、弁護士さんから的確なアドバイスを受ける、代理人として相手との交渉を任せるという事が非常に有効です。

交通事故対応にお困りの方は、一人で抱え込まず、事故なびにまでお気軽にご相談ください。