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交通事故コラムマメ知識「後遺障害の基本④|後遺障害申請の流れ」

「後遺障害の基本④|後遺障害申請の流れ」

交通事故によるケガの後遺症が残った場合、後遺障害の等級認定を受けることで加害者側から適正な補償を受けることができます。具体的には、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益が請求可能です。

ただし、後遺障害の補償を受けるには、後遺症が自賠責保険で定められた等級に認定される必要があります。後遺障害等級を受けるための申請手続きには「事前認定」と「被害者請求」の2つの方法があり、損害保険料率算出機構によって等級認定の審査が行われます。

今回は、後遺障害の等級認定に伴う申請手続きの流れについて、事前認定と被害者請求に分けて解説します。また、後遺障害申請の注意点も併せてご紹介していきます。

【事前認定】後遺障害申請の流れ

事前認定とは、交通事故の加害者側の保険会社に後遺障害申請の手続きを任せる方法です。

以下の流れで申請手続きが行われます。

 

 1.       医師から症状固定の判断を受ける

2.       医師に後遺障害診断書を作成してもらう

3.       加害者側の任意保険会社へ後遺障害診断書を提出する

4.       損害保険料算出機構による等級認定の審査が行われる

5.       後遺障害の等級認定を受ける(加害者側の任意保険会社から審査結果が通知される)

6.       加害者との示談交渉成立後に賠償金を受け取る

 

●事前認定のメリット

事前認定の場合、相手側の保険会社に申請手続きをお任せできます。後遺障害等級の申請手続きにはさまざまな資料の収集が必要ですが、事前認定では後遺障害診断書を相手の任意保険会社に提出するのみで、他の資料を集める必要はありません。申請に関する手間がほとんどかからない点がメリットといえるでしょう。

 

●事前認定のデメリット

事前認定では、後遺障害診断書以外の書類の収集、損害保険料算出機構への書類提出、審査結果の通知に至るまでのすべての手続きが相手側の保険会社によって行われるため、被害者は申請過程の把握ができません。また、事前認定の場合、後遺障害等級が認定されても賠償金を受け取るのは示談交渉の成立後になります。すぐに賠償金が必要な場合は、被害者請求で申請することをおすすめします。

【被害者請求】後遺障害申請の流れ

被害者請求とは、交通事故の被害者自身が後遺障害等級の申請を行う方法です。

以下の流れで申請手続きを行います。

 

1.       医師から症状固定の判断を受ける

2.       医師に後遺障害診断書を作成してもらう

3.       後遺障害申請に必要な書類を被害者自身が収集する

4.       加害者側の自賠責保険会社へ書類を提出する

5.       損害保険料算出機構による等級認定の審査が行われる

6.       後遺障害の等級認定を受ける(被害者に直接審査結果が通知される)

7.       後遺障害等級の通知とともに賠償金を受け取る

 

●被害者請求のメリット

被害者自身による申請手続きなため、提出書類の内容を自分で確認できたり、申請過程がわかりやすかったりと、手続きの透明性を維持できます。また、等級認定が有利になるような資料の収集が可能であり、適正な等級認定を獲得しやすくなるでしょう。

さらに、被害者請求は等級認定されると一定額の賠償金が受け取れる仕組みになっているため、事前認定よりも早く保険金を手にすることができます。

 

●被害者請求のデメリット

後遺障害申請に必要な書類は、保険金請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、印鑑証明書、後遺障害診断書など多岐にわたります。被害者請求は被害者自身が申請手続きを行うため、これらの書類を自分で収集しなければなりません。

ただし、弁護士に依頼すれば代わりに申請手続きを行ってもらえるため、被害者自身の手間や負担は大幅に軽減されます。

後遺障害申請の注意点

後遺障害申請には事前認定と被害者請求がありますが、提出する書類の内容に相違がない場合、審査結果に差が出ることはありません。ただし、被害者側で提出書類の確認ができない事前認定と違い、被害者請求では被害者自身が書類を確認できます。被害者請求を選ぶ場合は、交通事故に詳しい弁護士に内容の確認を依頼することで、被害者にとって有利になる書類の収集などを提案してもらえます。

 

また、後遺障害の等級認定では、提出書類のひとつである「後遺障害診断書」の記載内容が重要視されます。診断書の内容に漏れや不明確な箇所がある場合、等級認定に影響を与える可能性があります。適正な等級認定を受けるためには、弁護士に診断書の内容を確認してもらうのがおすすめです。

まとめ

後遺障害等級の申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2種類があります。

事前認定は加害者側の保険会社へ手続きを任せられますが、提出書類の内容を被害者側で確認できないデメリットがあります。一方、被害者請求は各種資料の収集を被害者自身が行わなければならず手間がかかりますが、書類の内容を自分で確認でき、保険金を迅速に受け取れます。どちらにもメリット・デメリットがありますが、被害者自身で手続きを行う被害者請求の方が適正な等級認定を獲得しやすいといえるでしょう。

 

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2020.08.11

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