交通事故による損害の内容や賠償金額などは、相手方との話し合いによって決めていきます。しかし、こちらが被害者にもかかわらず、相手方の損保会社の対応が悪くて心労が溜まってしまうケースも少なくありません。対応が悪い損保会社にあたってしまった場合、被害者はどう対処していけばよいのでしょうか。

今回は、交通事故の相手方の損保会社について、対応が悪い事例やその理由、困ったときの相談先をご紹介します。

対応が悪い損保会社とは、大別して2パターンがあると考えられます。1つは担当者の対応に誠実さが感じられないパターン、もう1つは担当者の態度が高圧的なパターンです。

 

●誠実さに欠ける損保会社

誠実さに欠ける対応とは、連絡が遅い、抜けが多い、約束を守らないなどが該当します。

 

●高圧的な態度をとる損保会社

損保会社は交通事故の交渉に慣れているため、相手が素人だとわかれば高圧的な態度をとってくることが考えられます。専門用語を出して難しい話をしたり、すぐに結論を求めてきたりと、高圧的な態度をとられた場合は要注意です。

 

こうした損保会社にあたってしまうと、被害者側としては非常に大きなストレスになるでしょう。しかし、対応が悪い損保会社の言いなりになる必要はありません。高圧的な態度をとられると精神的に辛いものですが、相手の言うことを鵜呑みにせず、毅然とした態度でいることが大切です。

相手方の損保会社の対応が悪い理由は次のとおりです。

 

●損保会社は契約者の味方をするから

当然といえば当然ですが、損保会社は契約者の味方をします。加害者側の損保会社は加害者の立場でやりとりをするため、被害者側とは主張や認識の違いが出てしまうのはやむを得ないことかもしれません。加害者側の損保会社は支払う損害賠償金をなるべく少なくしたいと考えるのに対し、被害者側は適正な損害賠償を請求したいと考えるのが当然です。双方の考えが一致しないどころか対立する関係にあるため、「相手の損保会社の対応が悪い」と被害者が感じるのは致し方ないことでしょう。

 

●相手方の損保会社の「お客様」ではないから

相手方の損保会社にとっての「お客様」とは自分のところの契約者（加害者）であり、交通事故の相手（被害者）はお客様ではありません。被害者の立場としては誠実に対応してほしいと考えるのが当然ですが、相手方の損保会社にとって被害者は「保険金を支払う相手」です。自分のお客様ではないことから、相手（被害者）に対する対応が悪くなってしまうことがあるのです。

相手方の損保会社の対応が悪い場合は、ひとりで悩まずにしかるべきところに相談することをおすすめします。対応が悪い相手とのやりとりはなるべく早く終わらせたいと考えてしまうものですが、納得のいかないまま無理に同意することはありません。

 

ここでは、損保会社の対応が悪い場合の相談先をご紹介します。

 

●損保会社の相談窓口

多くの損保会社には相談窓口が設置されており、苦情にも対応しています。あくまで相手方の損保会社の窓口でありどこまで親身に対応してもらえるかは不透明ですが、相手の対応に不満を感じる場合は相談してみるとよいでしょう。

 

●日弁連交通事故相談センター

日弁連交通事故相談センターとは、弁護士による電話相談や面接相談などを無料でおこなう公益財団法人です。加害者側との交渉の進め方や交渉がうまくいかない場合の対処法など、交通事故に関するさまざまな悩みに対応してもらえます。電話相談は10分程度、面接相談は全国156ヶ所の相談所にて30分程度おこなわれます。

 

●交通事故に強い弁護士

交通事故の相手方との話し合いは弁護士に代行してもらうことができます。弁護士にまかせることで相手方と連絡をとる必要がなくなり、損保会社の対応によるストレスから解放されます。高額な弁護士基準での慰謝料を請求できる可能性が高いのも、弁護士に相談・依頼するメリットのひとつです。交通事故に強い弁護士なら過失割合や損害賠償の交渉に慣れているため、被害者側としては安心してまかせられるでしょう。

交通事故に遭い心身ともに疲弊するなか、相手方の損保会社の対応が悪ければさらに大きな心労を抱えてしまいます。しかし、相手方の損保会社は加害者の立場にいるため、被害者側と意見が食い違い対立してしまうのはよくあることです。損保会社の対応に関して悩みがある場合は、損保会社の相談窓口や日弁連交通事故相談センター、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。

 

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