自賠責保険の基礎知識②自賠責保険と任意保険の違いとは?どっちを使うべき?
第2回目は自賠責保険と任意保険との補償内容の違いについて解説します。
自賠責保険の基礎知識|任意保険との違い
自賠責保険が自動車損害賠償保障法によって、自動車および原動機付自転車を使用する際、全ての車の所有者に加入が義務づけられている強制保険であるのに対して、任意保険とはその名の如く任意で加入する保険です。
任意保険は強制保険ではありませんので加入義務はないのですが、任意保険には自賠責保険では補償されていない対物補償が備えられていますので、万が一の時のために任意保険に加入するというのが通常です。
しかし、中には任意保険に加入していないという人も少なくありません。
損害保険料率算出機構の2017年度自動車保険の概況によると、任意の自動車保険の加入率は、約74%という結果が公表されています。
約74%という数字はあくまで自動車保険の加入率なので自動車共済(農協や全労済などで取り扱っている自動車保険)を加味すると約88%程度になるのですがそれでも10%以上の人が任意保険未加入というのが現状です。
日本では車離れの影響もあってか2004年をピークに交通事故件数が減少してはいるのですが、それでも1日あたりの交通事故発生件数は約1,300件と言われていますので、いつ自分が事故の当事者になっても不思議ではありません。
任意保険というのは、自賠責保険で賄えきれなかった分を補償する保険です。
ゆえに、自賠責保険だけ加入していれば十分だと考える人もいるかもしれません。
しかし、事故を起こして相手の自動車や塀などを傷つけてしまった場合、自賠責保険では補償してもらうことができませんので、全額自腹で修復しなければいけません。
被害者側が運転していた車が高級外車だった場合、修理額が数百万に上ることも珍しくありませんので、ある日突然数百万単位の借金を背負うことになりかねません。
事故を起こした加害者側には支払い義務が発生しますので、支払いが滞ってしまうと資産の差し押さえが行われる可能性もあります。
任意保険未加入の場合、金銭的な余裕で保険に加入していないというケースが多いのですが、実は金銭的に余裕がない人ほど、万が一に備えておかないと対応しきれないということは考えなくてはいけません。
また、自賠責保険と任意保険どっちを使えばいいのかわからないという方もいるかもしれませんが、自賠責保険は最低限の補償をするもので、賄いきれなかった場合に任意保険で補償するというのが自賠責保険と任意保険の仕組みになっていますので、まずは自賠責保険が適用されるということを覚えておきましょう。
自賠責保険の基礎知識|任意保険の種類
任意保険の主な補償内容は、賠償責任保険、傷害保険、車両保険の3つに分類されます。
賠償責任保険は、相手側の人や物を補償の対象とした保険で、他人を死傷させてしまった場合に保険金が支払われる対人賠償保険、他人の自動車や物を破壊してしまった場合に保険金が支払われる対物賠償保険があります。
傷害保険は運転者や同乗者を補償の対象とした保険で、運転手自身や同乗者が死傷した場合に保険金が支払われる搭乗者傷害保険、搭乗者傷害の対象に加え被保険者とその家族の方がバス、タクシー、歩行中などの自動車事故に遭った場合も補償の対象となる人身傷害保険、加害者側が自動車保険に加入していないなどの理由により十分な補償が得られなかった際に自分が契約している自動車保険で補償を受けられるようにするための無保険車傷害保険、自損事故によって運転手が死傷した場合に保険金が支払われる自損事故保険があります。
車両保険は運転者の自動車が壊れた際に、全損・分損に応じて保険金が支払われる保険です。
人身傷害保険と搭乗者傷害保険のいずれも、交通事故によって運転手や同乗者が死傷をした場合に補償する保険で、両方付帯しておくことで万が一の際には、双方の補償を受けられます。(詳しくは各保険会社にお問い合わせください)
自賠責保険の基礎知識|任意保険の特約
任意保険の主な特約として、弁護士費用特約やペット搭乗中担保特約などがあります。
交通事故が起きた際、保険会社に対応を任せたいと思われる方が大半かと思いますが、被害者の過失割合がゼロいわゆるもらい事故の場合は、弁護士法(弁護士法第72条(非弁活動の禁止))に違反してしまうため、保険会社は示談交渉することができません。
先方の代理人は保険会社になるのが通常ですので、こちらに不利な条件で交渉してくる場合もあります。
保険会社のCMでもあるように事故の3件に1件は貰い事故ということと、被害者であるこちらが不利益にならないためには、弁護士に依頼するのが一番です。
任意保険の弁護士特約をつけておけば、弁護士への相談や依頼に関する費用が補償されますので安心です。
ペット搭乗中担保特約は、ペット搭乗中に事故に遭いペットが死傷してしまった際に治療費や葬祭費が補償される保険です。
ペットと車でよくお出かけをしているという方は万が一に備えて特約を付けておくといいかもしれません。
まとめ
保険とは、万が一に備えるために加入するものです。
もちろん保険を使う日が来ることのないのが一番ですが、加害者の立場であっても、被害者の立場であっても、いつ何時、自分の身に降りかかるかわかりません。
交通事故に遭ってしまった際は、必ず警察に連絡をし事故証明を貰うと同時に、今後の対応についてどうすればよいのか分からないという場合は、交通事故案件に詳しい弁護士などにご相談ください。
事故なびでも交通事故案件を専門として数多くの交通事故被害者の方を救済してきた弁護士の先生を無償で紹介しておりますので、お困りの方はまずはお気軽に事故なびにお問い合わせください。
事故なびは、無料で交通事故にあった方の整骨院・接骨院探しをサポートしています。 24時間365日電話相談無料です。お気軽にご連絡ください。
2020.12.03