当サイトでは、交通事故で整骨院を利用する際の注意点とポイントを全5回にわたって解説しています。

第4回目は整骨院での健康保険について解説しています。

健康保険の適応有無によって、利用を検討するという方もいらっしゃるかと思いますので、整骨院で健康保険を使えるのか当サイトでしっかり確認しておきましょう。

結論からお伝えしますと、交通事故に遭い、骨折や脱臼、打撲、捻挫、挫傷（肉離れなど）の怪我を負ってしまった場合であれば、整骨院でも健康保険を使うことができます。

 

※骨折や脱臼については医師の診断書（同意書）が必要となりますので、整骨院へかかるまえに、必ず整形外科などを受診し、医師の許可を受けた上で整骨院へ受診してください。

交通事故で負った怪我は基本的には加害者が治療費を負担することになりますので、健康保険を使い治療費を一旦立て替えて、後日治療費を加害者に請求するという流れになります。

 

交通事故など、第三者の行為による負傷で健康保険を使う場合には「第三者行為による負傷届」の提出が必要になります。

 

第三者行為による負傷届は健康保険組合のホームページからダウンロードすることができます。

 

第三者行為による負傷届に必要な添付書類は「交通事故証明」です。

 

警察への届け出を物損事故扱いにしていたり、届出を出していないという場合は、「人身事故証明書入手不能理由」の提出が必要です。

 

その他、仕事中や通勤中で負った怪我ではないことを証明するために「負傷原因報告書」や、交通事故の状況や過失割合を判断する上で重要となる「事故発生状況報告書」、加害者に記入してもらう「損害賠償金納付確約書・念書」、健康保険組合側が加害者の加入する保険会社等で損害賠償を請求する際に医療費の内訳などを開示することになりますので「同意書」の提出が必要となります。

 

損害賠償金納付確約書・念書についてですが、事故の状況によっては加害者側に記入を拒否される場合もありますので、その場合は余白に記入できない旨を記載しておきましょう。

整骨院で健康保険の適応となるのは、交通事故など外傷性の明らかな症例のみに限られます。

 

整骨院は病院と異なり、健康保険が必ず使えるという施設ではありません。

 

単なる肩こりや筋肉疲労の治療、マッサージ代わりの利用、神経痛やリウマチ、五十肩など病気からくる痛みやこりの治療、過去の交通事故による後遺症、脳疾患後遺症などの慢性病、症状の改善が見られない長期の治療、医師の同意がない骨折や脱臼の治療、仕事中や通勤中で負った怪我は、健康保険が使えませんのでご注意ください。

 

ここで気になるのは、「症状の改善が見られない長期の治療」に健康保険が適応されないというケースです。

 

交通事故の後遺症は治療が長引くことも少なくないため、長期の治療で健康保険を使えなくなったらどうしようとお困りの方もいるかと思います。

 

整骨院で健康保険を適応してもらうには、医学的に治療の必要性があることを認めてもらう必要があります。

 

そのため、整骨院へ通う間も1か月に1回程度、症状固定の判断が下されるまでは整形外科などの医療機関も必ず受診するようにしてください。

 

症状固定とは、これ以上治療を続けても良くならないという状態のことを意味します。

 

後遺障害認定を受けるにあたり症状固定は重要な要素となりますので、くれぐれもご留意ください。

 

なお、定期的に整形外科などの医療機関に受診することは、加害者側の保険会社に対して漫然治療ではなく、適切な治療を受けているということの証明にもなります。

 

医師の指示なく整骨院で治療を受けた場合、治療の必要性、合理性、相当性、有効性を患者側で立証しなければいけません。

 

これらを立証できないと、整骨院での治療費は全額自腹ということになってしまいますので、医師による診断・許可は不可欠と言えます。

 

その他に健康保険を使えないケースとして、被害者側に飲酒運転や無免許運転等、故意や重大な過失があった場合の事故も健康保険は使えません。

 

なお、同じ怪我で医師の同意なく整形外科などの医療機関と、整骨院の両方の治療を受ける重複受診やはしご受診は、医療費の無駄となり、重複並行的に受診した場合原則として整骨院での施術料は全額自己負担となりますのでご注意ください。

事故なびは、「交通事故被害に関わる全ての方々を救済することで、安心して運転できる世の中へ」をテーマに掲げ、交通事故の被害者となってしまった方に様々なアドバイスやご案内をさせて頂いております。

 

交通事故の直後は何をしたらいいの？どこの整骨院がおすすめ？慰謝料はどれくらい支払われるの？など、交通事故に関する様々なお悩みにお答えします。