「後遺障害の基本⑤|適正な後遺障害等級の認定を受けるには」
交通事故の加害者へ請求できる後遺障害慰謝料や逸失利益は、後遺障害等級によって基準が決められています。つまり、適正な後遺障害等級を獲得することは、適正な損害賠償を獲得することでもあるのです。
適正な後遺障害等級の認定を受けるためのポイントは以下の3つです。
1.整形外科や整骨院への通院を継続する
2.症状固定の時期は慎重に判断する
3.後遺障害診断書を弁護士に確認してもらう
今回は、それぞれのポイントについて具体的に解説していきます。
適正な等級を獲得するポイント1. 整形外科や整骨院への通院を継続する
適正な等級認定を受けるには、整形外科や整骨院への通院を継続し、必要な治療や検査を受けておきましょう。通院が定期的に行われていなかった場合、通院実績に乏しいと判断され等級認定に影響が及ぶ可能性があります。
むち打ちを例にあげると、一般的には6ヶ月程度の通院期間が必要とされています。医師の指示がない限り毎日通う必要はありませんが、3日に1回程度の通院を継続するのが望ましいでしょう。
また、整骨院へ通院する場合は、整形外科への通院と併用することをおすすめします。整形外科は医師による治療を行う場、整骨院は柔道整復師による症状の緩和を行う場であり、それぞれ用途や目的が異なります。
さらに、後遺障害等級の申請手続きに必要な診断書は病院の医師しか作成できないため、整形外科での診察や治療、検査などを定期的に受けておく必要があるのです。
整骨院への通院は、整形外科の医師や保険会社に許可を得ることも大切です。「許可」といっても特別な手続きが必要なわけではなく、あくまで「同意を得る」ことに過ぎません。後々のトラブルを防ぐためにも、整骨院へ通院する旨はきちんと伝えておくべきでしょう。
適正な等級を獲得するポイント2. 症状固定の時期は慎重に判断する
後遺障害等級を申請するタイミングは、医師による症状固定の判断がされてからになります。
症状固定とは、これ以上治療を継続しても症状が改善する見込みがない状態をいいます。症状固定の時期は病院の医師によって判断される点がポイントであり、逆に言えば医師以外から症状固定を打診されたとしても応じる必要はありません。
整形外科や整骨院での治療が長くなってくると、加害者側の保険会社から症状固定の時期や治療費の打ち切りについて話がまわってくる可能性があります。治療費を支払う保険会社としては、できるだけ早い段階で支払いを終えたいのが本音だからです。
しかし、症状固定は医学的な観点から判断するべきものであり、そのタイミングを決められるのは病院の医師のみです。たとえ保険会社から何か言われたとしても、症状固定の時期を急ぐことはありません。
症状固定が決定すれば、その後の治療費を加害者側の保険会社へ請求することはできなくなります。症状固定の時期は医師とよく相談し、慎重に判断しましょう。
適正な等級を獲得するポイント3. 後遺障害診断書を弁護士に確認してもらう
後遺障害等級の審査では、後遺障害診断書の内容が重視されます。どの等級が認定されるかによって請求できる慰謝料や逸失利益に大きな差が生じてくるため、適正な等級を獲得するためには適正な内容の後遺障害診断書が必要です。
後遺障害診断書に記載がない内容は「正常」と判断されます。必要な検査はすべて受けておき、他覚症状・自覚症状ともに、後遺症とみられる症状は具体的に記載してもらわなければなりません。
診断書の作成は医師が行うものですが、内容の確認は弁護士に依頼できます。診断書に記載漏れや不足、不明確な点がないかチェックしてもらうだけでなく、診断書の内容に関して医師に意見したり、内容訂正や再発行を依頼したりと、弁護士に介入してもらうことにはさまざまなメリットがあります。
診断書の記載内容は本当に適正なのか、専門知識を持たない個人が判断するのは難しいでしょう。適正な等級認定と損害賠償を獲得するためには、交通事故分野に精通した弁護士に診断書を確認してもらうことをおすすめします。
まとめ
適正な後遺障害等級を獲得するには、整形外科や整骨院への継続的な通院、慎重な症状固定の判断、弁護士による後遺障害診断書の内容確認がポイントです。
認定される等級によって、交通事故の加害者へ請求できる後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が大幅に変わってきます。適正な後遺障害等級が認められるように、しっかりと準備しておきましょう。
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2020.08.11
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