「交通事故の示談交渉①交通事故の示談交渉とは」
今回は、交通事故における示談交渉とは具体的にどういうものなのか、開始するタイミングや示談成立に至らなかった場合の対処法まで詳しく解説していきます。
交通事故の示談交渉とは
交通事故における示談交渉とは、事故の当事者(被害者・加害者)が示談金額を話し合いで決めていくことです。あくまで当事者同士の話し合いによって自主的に解決することが目的であり、保険会社や弁護士が代理人となって進めることはできますが、裁判所などの第三者が介入するものではありません。
人身事故の場合、示談金として加害者に請求できる主な項目は以下のとおりです。
・治療関係費(治療費、通院費、付添費、入院雑費など)
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・後遺障害逸失利益
・修理費
ケガの治療費や自動車の修理費はもちろん、交通事故が原因で働けなくなった間の休業損害、精神的な苦痛に対する慰謝料などが請求できます。
これらの損害賠償額は、交通事故の過失割合をもとに算出していきます。被害者にも何らかの過失があった場合は、損害賠償全額から過失分を差し引いた額が支払われます。
いったん示談が成立すると、原則やり直しをすることはできません。示談成立後に追加の請求費用が発生したとしても、すでに示談が終わっていれば覆すことは難しいでしょう。保険会社から賠償額が提示されたら、一度弁護士に相談し内容を確認してもらうことをおすすめします。
示談交渉を開始するタイミング
示談交渉を開始するタイミングに決まりはありません。たとえば、軽度の物損事故でケガの治療が必要なく、どのような損害があったのか判断できる場合は、事故後すぐに開始することも可能です。
しかし、交通事故でケガをしてしまった場合は、以下のどちらかのタイミングで示談交渉を始めていくのがベストです。
1. ケガが完治してから
2. 後遺障害等級が認定されてから
示談交渉は損害賠償を決める協議であるため、必要な治療がすべて終わり治療費や通院費などが確定してから始めるのが一般的です。そのため、ケガが完治したタイミング、完治する見込みがなければ症状固定を経て後遺障害等級が認定されたタイミングで始めることをおすすめします。
注意すべき点は、示談交渉のタイミングを早まらないことです。
交通事故のケガは、目に見える外傷がすべてではなく、事故直後に症状が現れるとも限りません。数日後に痛みや痺れといった症状が出てくることもあります。
示談はその場の口約束程度でも示談成立とみなされる可能性があり、症状がないからといって安易に示談に応じるのは禁物です。加害者側から早めの示談交渉を求められたとしても、適切なタイミングを見極めて応じるよう心がけましょう。
示談成立に至らなかったらどうなるのか
交通事故の示談交渉は、被害者・加害者双方の同意のもとで成立します。そのため、当事者双方、もしくはどちらかが示談の内容に納得できなければ、示談成立に至らないことが考えられます。
示談成立に至らなかった場合、加害者やその保険会社から示談金を受け取ることはできません。示談交渉は当事者同士の話し合いとなるため、当事者での解決が難しければ、裁判を起こし第三者の公平な判断を求めることになるでしょう。
交通事故の示談交渉で折り合いがつかなかった場合、裁判を起こさずに解決へ導く方法として、交通事故紛争処理センターの利用も考えられます。
交通事故紛争処理センターとは、通称ADR(裁判外紛争解決手続)と呼ばれる機関であり、中立・公正な立場から交通事故被害者を救済することを目的としています。第三者であるセンターの担当弁護士が当事者の間に入って和解の斡旋を行い、交通事故問題を解決に導く手助けを行います。
このように、当事者同士の話し合いで折り合いをつけるのが難しい場合は、交通事故紛争処理センターの利用、または裁判によって解決を目指すことになるでしょう。
まとめ
交通事故の示談交渉とは、事故によって生じたさまざまな損害について当事者同士で話し合うことです。事故の責任を比率で表す過失割合から損害賠償額を算出していくため、被害者側にも過失があればその分は差し引かれます。
示談交渉は一度成立すると原則としてやり直しはできません。示談開始のタイミングを見極めて、被害者側に不利がないように進めていきましょう。
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