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「交通事故の示談交渉⑤示談交渉を弁護士に依頼するメリット」

交通事故の示談交渉は、当事者が加入する保険会社主導で行われるケースが多いですが、被害者の代理人として弁護士を立てることも可能です。法律の専門家である弁護士は、法的な知識や経験から被害者が不利にならないように交渉を進めてくれるため、弁護士への依頼も検討してみることをおすすめします。

今回は、示談交渉を弁護士に依頼するメリットを3つご紹介します。

交通事故の示談交渉は弁護士に依頼できる

交通事故の示談交渉とは、事故の当事者である被害者・加害者の話し合いによって問題を解決することをいいます。しかし、実際は当事者それぞれが加入する保険会社の担当員同士で行われることが多く、特に賠償金を支払う加害者側はほとんどの場合、保険会社が示談交渉にあたっています。

 

交通事故の被害者は、弁護士を代理人として示談交渉に参加してもらうことができます。加入している任意保険の契約内容に「弁護士費用特約」が付帯している場合、300万円を上限として弁護士費用を保険会社に負担してもらえます。契約内容を確認し、特約が付いていれば弁護士への依頼も検討するとよいでしょう。

示談交渉を弁護士に依頼する3つのメリット

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。

 

メリット1. 弁護士基準での賠償金が請求できる可能性が高い

 

弁護士が示談交渉にあたることで、損害賠償の算出基準で最も高額な弁護士基準での賠償金を請求できる可能性が高くなります。

 

加害者側の保険会社としては、被害者に支払う損害賠償をできるだけ少なくしたいのが本音であり、自賠責基準や任意保険基準で算出した損害賠償を提示してきます。自賠責基準と任意保険基準の差はあまりありませんが、どちらも弁護士基準よりは低い金額が算出されます。

 

弁護士基準での示談が必ずしも成立するとは限りませんが、弁護士が介入することで被害者自身や保険会社が示談交渉を行うよりも損害賠償の増額が期待できます。

 

 

メリット2. 過失のない被害者の代理人になれるのは弁護士だけ

 

交通事故の被害者に過失がまったく認められなかった場合、示談交渉を代行できるのは弁護士のみです。

 

保険会社が被害者の代理人となれるのは、被害者にも過失が認められた場合です。つまり、もらい事故や当て逃げといった被害者に過失がまったくない交通事故の場合、保険会社は示談交渉をすることができないのです。

 

過失のない被害者の示談交渉を保険会社ができない理由は、交通事故の加害者に支払う損害賠償が発生しないため、事故に介入する立場ではないと判断されるからです。もし、被害者に過失がないにもかかわらず被害者側の保険会社が示談交渉にあたった場合、弁護士法に違反することになります。

 

弁護士法第七十二条

「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」

出典:弁護士法第七十二条

 

被害者に過失がない場合は、被害者自身が相手と示談交渉していくか、弁護士に依頼するかの二択になります。示談交渉に慣れている保険会社を相手に、被害者自身が交渉に臨むのは負担が大きいため、弁護士に代行してもらうことをおすすめします。

メリット3. 加害者に請求できる損害項目の漏れを防げる

弁護士は、被害者が加害者に請求する損害項目を精査し、請求漏れを防ぐことができます。

 

交通事故の被害者が加害者に請求できる損害賠償はさまざまで、法的な知識がなければ判断が難しい項目もあります。そのため、どの損害が請求の対象となるのかしっかり理解していないと、請求漏れが起こる可能性があります。

 

示談はいったん成立すると原則取り消しができず、追加請求が認められることもほとんどありません。示談に合意する前に内容を精査し、間違いや不足がないか確認する作業は、やはり弁護士に任せた方が安心でしょう。

 

まとめ

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。

 

1.       弁護士基準での賠償金が請求できる可能性が高い

2.       過失のない被害者の代理人になれるのは弁護士だけ

3.       加害者に請求できる損害項目の漏れを防げる

 

さらに、法律のプロフェッショナルである弁護士に依頼できる安心感や、加害者側の保険会社とのやりとりを任せられるという精神的負担の軽減もあるため、被害者にとって弁護士に示談交渉を依頼するメリットは大きいといえるでしょう。

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2020.10.08

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